【仮面夫婦9日目】決戦

仮面夫婦

 いよいよこの日が来た。

   

 午前中は娘と夫と3人でマタニティフォト。

 朝からふざける夫が鬱陶しくて溜まらなかった。

  

 同時に昼からの話し合いに気が重かった。

  

 昼から義母に娘を預けにいき、携帯を触って動こうとしない夫を横目に私から「そろそろ」と場を切り上げようと動いた。

  

 すると義母が夫に「どうすんのよ」と小さな声で話しかけた。

 

 私がドアに手を掛けて振り向きざまの出来事だったので、私が見ていることに気づいているのか義母の心意は分からなかった。

 

 しかし、直感的に義母は夫が喫煙していることを知っているな、と確信した。

  

 夫は廊下で私に「どこに行くん?」とだけ話しかけ、「家で話し合い。」と私は答えた。

  

  

 椅子に座り、「話し合いたいことがあるんだけど。」と私から切り出し、「何か言わなダメなことあるよね。」と問う。

  

 夫は分からないふり。 

  

 「隠してることあるやろ?」

 「なに?」

 「約束破ってることあるやろ?」

 「…」

 「タバコ吸ってるやろ」

 「…(小さく頷く)」

  

 「本数はどれくらい吸ってるの?」

 「わからん」

 「わからないことないやろ」

 「1日2~3本かな」

  

 ここまで来てまだ嘘をつくか。

 前回と同じ反応でイライラした。

 

 1週間、タバコの本数を数えてきて1週間で2~3箱は吸っている。

 呆れて何も言えなかった。

 

 前回は涙が溢れてきて、必死で自分の感情をぶつけた。

 悔しかった。

 

 だけど、今回は自分が乱れることすら無駄だと思い淡々と話していった。

 

 「離婚だね」

 「(夫、頷く)」

  

そこから、お互い離婚届に氏名等、今書けることを記入して押印した。

 

そして、パソコンを開いて離婚協議書の話し合い。

 

夫は私に言われるがままに従う。

 

「親権は私が二人とも持つよ」

「いいよ」

「面会の頻度だけど、2ヶ月に1回って例では載ってたんだけど…」

「1年に1回でいいよ」

 

は?それでも父親か。

子どものことを考えろ。

 

「養育費のところだけど、ここは弁護士に相談かな」

例では子ども一人5万円となっていた。

それを見た瞬間、夫は「家売るわ。」とネットで何かを調べ始めた。

 

お金のことより子どもとの時間をもっと心配してほしかった。

 

結局、タバコについては「合法なのに吸ってはいけない理由が分からない」と、前回と全く考えが変わっていなかった。

 

私がタバコを毛嫌いする理由は3つ。

①副流煙の周りの人(私、子ども)への影響

②夫自身への健康被害(脳卒中等で麻痺が残って介護は絶対に嫌。健康に気を付けてそうなってしまったのは仕方ないが、喫煙してなったのでは自業自得で介護虐待しそう。)

③金銭的問題(タバコの価格高騰で、子どもの教育費を考えると腹が立つ)

 

それに対する夫の言い訳。

①職場の昼休憩や時間外で吸っている。

 (家で吸っているとの私の指摘に対して)家では吸わないようにする。

②健康被害もタバコを吸ってなくてもガンや脳卒中になる人はいる。

 タバコだけを毛嫌いする理由が分からない。

③自分の今までの貯金でやっている。

 何も家計に迷惑は掛けていないというスタンス。

 

平行線のまま。

 

というか、結婚前は「絶対に辞めるから」と必死になって説得にきたが、結婚した途端にこの態度。

 

そういう考えの人なら絶対に結婚しなかった、と思いながら信じた自分にも責任があると自分に言い聞かせて黙っていた。

 

やはり男性は捕まえた魚には餌をやらない。

捕まえた安心感で、その後は放置。

 

人生やり直したい。

正直、夫でなくても紹介の声は来ていた。

 

しかも医者。

そこを蹴ってまで結婚する価値は夫にはなかったと、考えてもどうしようもないことを思わずにはいられなかった。

 

しょうもない夫。

 

尊敬の欠片もなくなった。 

 

育児休暇中の身で、夫が毎日働き続けてくれていることには感謝している。

 

しかし、実際は私が復帰しなければやっていけない家計状況。

 

そこにタバコ。

 

話し合いの末、私が提案したVAPE(電子タバコ。日本製の物は、ニコチン、タール、一酸化炭素など有害物質は含有されていない、と今のところは記載されている。)に変えるということになった。

 

契約書を作成し、話し合いは終了。

 

できるだけ冷静に、対応したつもり。

 

その夜、私は結婚指輪を外した。

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